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Woman admiring weaved artwork at Aboriginal Art Gallery

ノーザンテリトリー・アートトレイル・ガイド(アリススプリングスからダーウィンへ)

 

テリトリー・アート・トレイルの道中は、地球上で最も古い現存文化にどっぷりと浸かるチャンスです。ノーザンテリトリーの風景は、広大であると同時に、活気に満ちています。アリススプリングスからダーウィンまでの1,500キロのドライブで、広がる光景を目にすれば、その土地、そこに暮らす人々、そして彼らの伝統に触れたいという衝動が湧き上がることでしょう。

アリススプリングス、キャサリン、テナント・クリーク、カカドゥ、ダーウィン、ティウィ諸島の地域全体にある、アボリジニのアートセンターやギャラリーでは、オーストラリアの先住民の過去と現在を訪ねる、ユニークで本格的な旅を紹介しており、幾つもの物語を描いた絵画もあります。

1~2日目:アリススプリングス

アリス(ムバーントゥワ)の中心部にあるアラルエン文化地区(Araluen Cultural Precinct)は、この地域の芸術と文化を知る最初の場所としてお勧めです。到着時にゲストを迎える大規模な壁画と彫刻庭園には、アリススプリングスにおける創造の主の一人である、高さ3mのイェペレンイェ(Yeperenye)と呼ばれるイモムシが印象的に描かれ、ロビーには、床から天井まであるステンドグラスの窓に、アレンテ族の物語が描かれています。

 

ギャラリー内では、アラルエンの1,000点を超える地域コレクションの中から、中央オーストラリアと西部沙漠の作品を厳選展示し、オーストラリアのアボリジニ・アートを紹介するとともに、随時展示内容が入れ替わるツアー展示も開催しています。先住民を代表する風景画家である、Albert Namatjiraとその家族のオリジナル水彩画は圧巻です。

たった3分のドライブで、鮮やかな色彩を放つジャンピ・デザート・ウィーバーズ(Tjanpi Desert Weavers)たちの姿が目に飛び込んできます。ジャンピは、ファイバー・アートを専門とし、NPY(Ngaanyatjarra Pitjantjatjara Yankunytjatjara)の土地に住む、400人以上の女性アーティストの作品を集めています。ここでは、天然繊維と鮮やかな染料を奇抜に融合させた、ユニークで楽しいバスケット、ジュエリー、彫刻などを見ることができます。

 

次の目的地は、ジャンピから歩いて5分もかからないところにある、タンジェンティエール・アーティスト(Tangentyere Artists)です。このセンターでは、伝統的な作品と現代的な作品をミックスした、タウン・キャンプ・アーティストの創作品に焦点を合わせています。タウン・キャンプでの生活を描写した作品は、リサイクル品に描かれることが多く、タンジェンティエールは、錫のジュエリーのコレクションでますます有名になっています。

 

町の中心部に戻ると、壁や歩道に並ぶパブリック・アートから無数のギャラリーまで、トッド・モール(Todd Mall)には、地元のアート作品が溢れています。ムバントゥア・アリススプリングスは、ユートピア(Urapuntja)地域のアートを専門に扱っており、古い文化を表現した、鮮やかで現代的な抽象作品で知られています。

3日目:テナント・クリーク

アリススプリングスから北へ500kmの、テナント・クリークにあるニインカ ニュンニュ アート アンド カルチャー センター(Nyinkka Nyunyu Art and Culture Centre)は、文化的に重要な場所です。カルチャーセンターは、ウォーウマング(Warumungu)族の聖地に隣接しており、その名の由来であるオオトカゲのような形をしています。地元アーティストの作品、ツアー展示のほか、植物や野生生物、伝統的な工芸品などの展示を通して、この地域の先住民の物語を紹介する近代的な博物館が特徴です。

 

現地の文化について深く知ってもらうために、ニインカ ニュンニュでは、聖地の重要性について説明し、センターのすぐ外で栽培されているブッシュ・タッカーをビジターに紹介する、カルチャー・ツアーを開催しています。ワイルド・ベリーやレモングラスでお腹が満たされなくても、センターのカフェがあるので大丈夫です。

4日目:ベズウィックおよびキャサリン

キャサリンに到着する前に、セントラル・アーネム・ロード(Central Arnhem Road)を60kmほど回り道して、ベズウィック(Wugularr)の独特なアートをご覧ください。ディルピン・アーツ(Djilpin Arts)と隣接するグンマーン・カルチャーセンター(Ghunmarn Cultural Centre)は、俳優でミュージシャンの故Balang TE Lewisが設立しました。アートが世界を変えるという信念のもとに設立したディルピン・アーツは、ファイバー・アート、手彫りのディジュリドゥ、絵画、彫刻、ジュエリー、テキスタイルで溢れています。

 

現地のアーティストが居合わせて、カルチャーセンターの素晴らしいコレクション所蔵の、コミュニティの長老たちが手掛けた重要な作品を対象に、背景にある伝統的な物語や技法について説明します。シュガーバッグ(天然蜂蜜)、天然染料、織物用のパンダナスの収穫を学び、ディジュリドゥの彫り方を教えてもらうカルチャー・ツアーに参加することもできます。地元のガイドと一緒に、この地域の秘境感溢れる絶景のスイミングホールを訪ねることもできます。一日にすべてを詰め込むのは大変だと思われる方は、アートセンターの隣にある、ジャカニンバ・パビリオン(Djakanimba Pavilions)で、宿泊施設を利用することができます。この施設はそれ自体が芸術作品です。

道を戻れば、キャサリンまでは約100kmしかありません。次の目的地は、ゴディマイン・イヤード・リバーズ・アート・カルチャーセンター(Godinymayin Yijard Rivers Arts & Culture Centre)です。ゴディマインの展示スペースでは、写真からテキスタイル・アート、地元の風景まで、あらゆるアートを見ることができます。

 

キャサリン中心部では、ミミ・アボリジナル・アーツ・アンド・クラフツ(Mimi Aboriginal Arts and Crafts)、ギャロップ・スルー・タイム・ギャラリー・アンド・フレーミング(Gallop-Thru-Time Gallery & Framing)、トップ・ディジ・カルチュラル・エクスペリエンス・アンド・アート・ギャラリー(Top Didj Cultural Experience & Art Gallery)で、地域内外のアートを楽しむことができます。町を抜ける前に、メイン・ストリートやレイルウェイ・テラス(Railway Terrace)を散歩して、地元先住民の肖像画が描かれた素晴らしいストリート・アートをご覧ください。

5日目:カカドゥおよび周辺地域

古代のロックアートは、カカドゥ国立公園の代名詞ですが、世界遺産に登録されている公園内のアートセンターでは、さらに多くの発見があります。スチュアート・ハイウェイ(Stuart Highway)を迂回してカカドゥの南部に入ると、クーインダ・ロッジ(Cooinda Lodge)の近くに、ワラジャン・カルチャーセンター(Warradjan Cultural Centre)があります。この地域のビニン族の伝統的所有者から、部族の長老の話を学び、ショップでは、手作りの本格的な現地工芸品をお土産にどうぞ。

 

カカドゥ・ハイウェイ(Kakadu Highway)を北東へ60kmほど進んだジャビルにあるマラウッディ・ギャラリー(Marrawuddi Gallery)は、この町の古いベーカリーに新しく居を構えています。地元や州外のアーティストが描いた、印象的な壁画がビジターを出迎えてくれます。この壁画は、活気あるコミュニティ・アートセンターの中の様子を映し出しています。ギャラリーの屋外クリエイティブ・スペースでは、現地アーティストたちが織物をしたり絵を描いたりする姿に魅了されることでしょう。

先住民の芸術や文化を、現地で体験してみませんか? プダクル・アボリジニ文化ツアー(Pudakul Aboriginal Cultural Tours)を予約して、伝統的所有者と、地元の湿原を探検しましょう。このツアーでは、カカドゥとリッチフィールドへの宿泊による文化的体験も提供しています。

6日目:ダーウィン

カカドゥからノーザンテリトリーの州都までは、北へ250kmのドライブです。ダーウィンに着いたら、1925年に建てられた歴史的なライオンズ・コテージ(Lyons Cottage)の中にある、アボリジナル・ブッシュ・トレーダーズ(Aboriginal Bush Traders)で、トップエンドのアート探索を始めましょう。ここでは、NT最高の地域アートが、ひとつ屋根の下に勢ぞろいしています。ギャラリースペースでは、特定のアーティストかコミュニティに焦点を合わせた展覧会が6週間ごとに開催され、常駐のアーティストが敷地内で制作し、観光客と交流しています。ショップでは、目を見張るような大きなキャンバスから、手頃な価格の「ブッシュ・ブリング」ジュエリー、本、キャンドル、石鹸まで、あらゆるものを販売しています。隣接するブッシュ・タッカー・カフェでは、カカドゥ・プラム、レモンマートル、クァンドン、デザート・ライム、ワイルド・ロゼラなど、地元のスーパーフードを紹介してくれます。

 

ダーウィンを訪れたら、ぜひ町中のアート・ギャラリーに立ち寄って、最新の展覧会をチェックしてみてください。ナッキー通り(Knuckey Street)を上ると、ダーウィン初の女性専用ギャラリーである、シスター7(Sister7)があり、神聖なる女性の仕事について見識を深めることができます。その後、スミス・ストリート・モール(Smith Street Mall)に入ると、ダーウィン自慢のムバントゥア・ファインアート・ギャラリー(Mbantua Fine Art Gallery)があり、絵画や工芸品の見事なセレクションを見ることができます。ムバントゥアは、中央オーストラリアのユートピア地方のアートを専門に扱っており、少数ではありますが、非先住民のアーティストの作品も扱っています。

 

アボリジニ・アートの展覧会なら、パラップ・ビレッジのアウトステーション・ギャラリー(Outstation Gallery)へどうぞ。また、ノーザンテリトリー博物美術館(Museum and Art Gallery of the Northern Territory)では、毎年恒例の、テルストラ・ナショナル・アボリジニ・トレス海峡諸島民アート・アワード(Telstra National Aboriginal & Torres Strait Islander Art Awards)の展示が行われているので、こちらもお忘れなく。

7日目:Tiwi Islands(ティウィ諸島)

ダーウィンからチャーター便か、SeaLinkのフェリーで行くことができるティウィ諸島(バサースト島とメルヴィル島)は、その独特なアートで国内外から称賛されています。バサースト島のウルミヤンガ(Wurrumiyanga)にある、ンガルワナジリ・アートセンター(Ngaruwanajirri art centre)に足を踏み入れた瞬間から、この島のアーティストがこれほど注目される理由がわかります。印象的な壁画が天井からビジターを見下ろし、アーティストたちは、この刺激的な空間を利用して、紙やキャンバスに描かれた天然黄土色、絹のろうけつ染め、彫刻されたアイアンウッドに描かれた天然黄土色、リノリウム版画や単刷り版画、紙に描いたガッシュ絵具など、さまざまな媒体で作品を制作しています。

 

数キロ先にあるティウィ・デザイン(Tiwi Design)は、印刷ワークショップと着るアートで有名です。テキスタイル・プリントワークショップでは、オリジナルのアートワークをスクリーンに変換し、手作業で色を調合してデザインに合わせ、手作業で生地をプリントしています。地元のアーティストが喜んで実演してくれるので、知識だけでなく、素晴らしいプリントもお土産に持って帰ることができます。

隣接するメルヴィル島のピルランギンピでは、ムヌピ・アートセンター(Munupi Art Centre)のアーティストたちが、ペイント家具から陶器まで、さまざまな作品を制作しています。これらはすべて、ティウィ諸島のユニークな自然環境と、天地創造の物語にインスパイアされたものです。メルヴィル半島の反対側にあるジラマラ・アーツ・アンド・クラフツ・アソシエーション(Jilamara Arts & Crafts Association)は、ミリカピティ・コミュニティのクリエイティブで文化的な拠点で、彫刻ワークショップ、テキスタイル・プリントとペインティング・スタジオ、さらにムルウッリ・ミュージアム・コレクション(Muluwurri Museum Collection)があります。赤、黄、白、黒の、ティウィの自然な色合いを表現した作品は、ジラマラのクトゥウルミ・ギャラリー(Kutuwulumi Gallery)で販売されています。こちらを訪問する際は、あらかじめアートセンターまたはツアーオペレーターに、許可要件を必ず確認してください。

その他の旅行プランについては、ノーザンテリトリーの旅行日程をご覧ください。

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